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ブログ
2016/12/27

画像検査が意味するもの・後編 ~画像診断の矛盾~

みなさん、おはようございます!ご機嫌よろしゅうございます<m(__)m>

 

現代整形外科は、『腰痛とは骨格の損傷、または形態異常である』

 

という大前提のもと、治療にあたってきました。

要するに、背骨のどこかに傷があるから、形に異常があるから痛むんだと考えてきたわけです。

この概念は1世紀ものあいだ、揺らぐことはありませんでした。

 

なぜこういった考え方から逃れることができなかったのか?

その答えはブログ「整形外科の歴史と慢性痛・前編」「整形外科の歴史と慢性痛・後編」で詳しくお話しさせていただいたとおりです。

 

しかし、検査技術の発達がそのような考え方を強烈に後押ししてしまったという、なんとも皮肉な背景があるのも、また事実です。

1895年にX線が発見されて以来、レントゲンによる背骨の観察が進む中で、けがの有無に関わらず様々な損傷や形態異常が見つかったのです。

 

その結果、加齢にともなう生理的な(自然な)骨の変化…つまり、骨の老化と変形までもが異常な所見としてとらえられるようになりました。

また、背骨にみられる小さな個性(生まれつきある個体差)すべてが異常な所見として指摘されるようになりました。

その例として、「潜在性二分脊椎」「腰仙移行椎」「シュモール結節」「椎体偶角離断」「前彎消失」「軽度の側弯」などがあげられます。

 

さらにCTやMRIといったハイテク画像検査の登場によって、背骨の欠陥探しにますます拍車がかかります。

そんな中、専門家たちの眼は「椎間板」に釘付けになりました。

骨と骨の隙間にある椎間板はクッションの役割があること、加齢にともなう変性を生じやすい(潰れやすい)こと、ヘルニアの原因になるなどの理由もあり「椎間板原因説」が世界を覆いつくしたのです。

 

こうして研究者たちの多くが背骨の欠陥探しに傾倒していく一方で、骨に異常が見当たらない腰痛は「なんだか分からない腰痛」として、あまり熱心に研究されませんでした。

しかし、プライマリケア(初期医療)の現場ではこうした腰痛が思いのほか多かったため、姿勢や筋肉の問題(筋肉疲労・筋力低下・姿勢異常)を指摘する医師らによって、種々の体操療法、筋肉トレーニング、ウォーキング、水泳などが指導されることになったのです。

 

このように、現代整形外科では最初に「背骨の構造的欠陥」を探します。

それが見つかった場合、修復可能なものには手術を選択し、修復不能または欠陥が小さなものには対症療法を施します。

そして、骨の異常が見つからないものには姿勢や筋肉に焦点を絞った治療をしてきたのです。

 

ところが1990年代、医療界を一変させる出来事がおこります。

EBMの登場です(EBMに関してはブログ「EBM(根拠に基づく医療)とは・後編」で詳しく紹介しています)。

 

EBMによって、従来の画像診断には多くの矛盾があることが分かりました。

 

画像検査で見出される「形態異常」の多くが、実は正常な健康人にも多く見られることが分かったのです。

「腰痛はそれまで考えられてきたようなシンプルな問題ではない。形態異常を探して修復するという考え方は通用しない」つまり、

 

「形の変化≠痛みの変化」

 

という事実が科学的に証明されてしまったのです。

 

内科、外科、産婦人科、小児科、耳鼻科などたくさんある医科の中でも、整形外科ほどEBMが脅威に映った科は他にないと思います。

「風邪の抗生物質の使われ方」どころの話ではありません。

各論が問題にされているのではなく、画像診断という考え方そのものすなわち総論が問われているからです。

 

次回はEBMによって明らかになった「画像診断の真実」について、具体例を挙げて説明してまいりたいと思います。

 

お後がよろしいようで…お退屈様でした<m(__)m>

 

 

 

※このコラムはBFI研究会代表・三上先生の書かれたブログ記事を編集したものになります。

 

 

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あおぞら整骨院
http://aozora-osteopthy.com
住所:〒221-0043 神奈川県横浜市神奈川区
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2016/12/26

画像検査が意味するもの・前編 ~画像診断の科学的根拠~

みなさん、おはようございます!ご機嫌よろしゅうございます<m(__)m>

 

腰痛の患者さんが整形外科を受診すると、通常であればレントゲンを撮って診断され、その結果に沿った治療が行われます。

この時の画像検査による診断を「画像診断といいます。

 

そのため、画像に写っている骨の変化が診断名、すなわち病名となります。

骨の老化や変形が写っていれば「変形性脊椎症」、背骨の分離やすべりが写っていれば「腰椎分離症」または「腰椎すべり症」、骨と骨の隙間にある椎間板が潰れていれば「腰椎椎間板症」といった感じです。

 

それでは骨の変化がなかった場合、どんな診断になるのでしょうか?

それは「筋筋膜性腰痛症」、または単に「腰痛症」という病名がつきます。

これは原因がよく分からない腰痛という意味です。

 

症状の程度から判断して、さらに詳しい検査が必要な場合はCT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(核磁気共鳴断層装置)といったハイテク画像検査を行います。

これらの検査でヘルニアが見つかれば「腰椎椎間板ヘルニア」、背骨の狭窄が見つかれば「脊柱管狭窄症」といった診断が確定します。

 

一般的な整形外科ではほぼ間違いなく画像診断を行いますが、これ以外にも腰痛を診断する方法はあるのでしょうか。

要するに、画像検査以外に腰痛の原因を探る方法はあるのか?という質問です。

 

整形外科の視点で考えるなら、その答えはNOです。

視診や触診などで身体所見も当然調べますが、これらはあくまで補助的な役割とされているため、画像検査なしでの診断というのは事実上あり得ません。

なかには例外もあるかもしれませんが、ほとんどのケースでレントゲンによる診断を行っています。

 

整形外科は「形態の異常を修復するプロ集団」です。

“形の変化”を見つけ、それを診断のよりどころにしようとするのは当たり前なのです。

というか、それこそが整形外科の本質になります。

 

つまり、整形外科にとって形態学を無視した診断」はあり得ないです。

以上の現実を踏まえたうえで、腰痛は次の2つに分けることができます。

●画像検査によって、原因を特定できるもの

●画像検査によって、原因を特定できないもの

 

医療機関によってその比率は多少変わりますが、一般的な数字として前者が15%後者が85です。

要するに、腰痛の患者さんが整形外科を訪れた場合、その8割以上は原因不明という結果が待っているのです

 

ということは、先ほど挙げた病名のなかで「骨の変化がなく、原因が分からない腰痛」すなわち「腰痛症」が8割もあるのでしょうか?

ところが、そうではありません。

 

実は、骨の変化を診断名にしている腰痛も、痛みの原因がどこにあるのか分かっていないのです。

たとえ「腰椎分離症」や「変形性脊椎症」などの診断名を言われても、痛みの本当の原因は分からない」…これが科学的根拠に基づいた「医学上の正式な見解」なのです。

 

画像診断による病名が痛みの原因を表しているとは限らない。

診断そのものに不確定の要素がかくれている。

これは、腰痛治療において最も根本的な、かつ重大な問題です

 

このような話をすると、「信じられない」「よくわからない」と理解に苦しむ方も多いかもしれません。

現実には、腰痛を訴えて病院に行けば、ほとんどの場合レントゲン検査を受け、画像診断にもとづく病名を聞かされるはずです。

骨に変化があればそれを指摘され、なければ姿勢が悪い、筋肉が弱っているなどと言われると思います。

 

しかし、そのような説明には一切、科学的な根拠はないのです

ブログ「腰痛治療の現状でもお話しましたが、現段階で腰痛のメカニズムに対する世界的な統一理論というのは存在しません。

脊椎の世界的権威といわれるNachemson氏も、『腰痛の原因にはいろいろな説があるが、科学的に証明されたものはない』と断言しています。

 

後編へ続く…お退屈様でした<m(__)m>

 

 

 

※このコラムはBFI研究会代表・三上先生の書かれたブログ記事を編集したものになります。

 

 

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2016/12/21

EBM(根拠に基づく医療)とは・後編 ~間違った“医学常識”を正せ~

みなさん、おはようございます!ご機嫌よろしゅうございます<m(__)m>

 

今から数十年前のことです。

フィンランドの保健当局が、健康診断や健康指導にはどのくらい効果があるのかを調べるために、以下の実験を行いました。

 

まず心血管系疾患のリスク因子を持つ40歳から45歳までの管理職1,200人を選び、くじ引きで2つのグループに分けます。

そして片方の600人に対しては毎日の運動を指示し喫煙、飲酒、糖分の摂取などを控えるよう指導。さらに健康診断や栄養学的な調査などを定期的に行い、必要に応じて投薬を行います。

もう一方の600人に対しては、いかなる健康管理も実施せずに放置しました。

 

この実験を15年間続けたのち、両方のグループを比較したところ、はっきりした違いが現れました。

心臓や血管系の病気、死亡、自殺などの数において、一方のグループが少なかったのです。

それはなんと、健康管理をしない人々でした。

 

この事実に衝撃を受けた医師らは、実験結果の公表を控えたそうです。

 

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次に紹介するのは1970年代のイギリスでの話です。

当時は手術不可能な肺がんの患者さんに対し、多種類の抗がん剤を少しずつ使う方法が専門医の間で広まっていました。

副作用が少なく、効果が高いと考えられていたからです。

 

あるとき、一部の研究者らがこの治療法の有効性を評価するため、次のような実験を行いました。

同様の患者さん188人に対して、「抗がん剤を4種類使う」「1種類だけ使う」「使わない」の3つのグループに分けて治療し、その後の経過を比較したのです。

すると、驚いたことに治療成績がもっとも良かったのは抗がん剤を使わないグループであり、4種類使うグループは最低だったことが分かりました。

 

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さて、問題です。

こうしたケースは医療全体の中で、ごく例外的なものでしょうか?それとも、氷山の一角にすぎないでしょうか?

信じられないかもしれませんが、答えは後者です。

 

今、医療は大きな転換期を迎えています。

ヒトゲノム解析、ナノテクノロジーなど華々しい技術革新が進む一方、その裏では従来の医療方針を洗い直す地道な作業が進められています。

それほどに、現代医学の「常識」の中には危ういものが多いのです。

 

当たり前のように行われている検査の妥当性や治療の有効性を検証し直すプロジェクト、それがevidence-based medicine(根拠に基づいた医療)、略してEBMです。

 

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EBMでもっとも重視される実験形式は、次のようなものです。

まず実験対象となる患者さんをできるだけ多く集め、それを無作為に2つに分けます(場合によっては性差、年齢、職業、家族歴などを均等に振り分けることで個体分布の偏りをなくします)。

そして片方のグループにはAという治療を、もう片方のグループにはBという治療をして、その後の経過を追跡します。

例えば実験対象が投薬に関するものであれば、本物の薬と偽薬をそれぞれのグループに投与し、患者さん自身も担当医もどちらの薬が出されているのか知らされないまま行われます。

最後に、追跡調査の結果を両グループ間で比較し、医療統計学を駆使して効果を判定するのです。

 

こうした実験形式(比較試験)にはどのような意味が隠されているのでしょうか?

それはプラセボ(またはプラシーボ)効果を排除するためです。

偽薬(ショ糖やでんぷんで作った効果のないタブレット)を飲んでも症状が改善してしまうという「プラセボ効果(心理的な思い込みによって症状が改善する現象)」によるものなのか、それとも本当に薬の成分による効果なのか、それを見極めるための実験なのです。

 

一般には、偽薬を飲んだグループにも4~6割程度回復する人が現れてしまうため、その改善率と本物の薬を飲んだグループの改善率を比較して、後者の数字が優位に上回っていることが判明すれば、そこではじめて『その薬の効果は本物だ』と判定されるわけです。

 

このような実験方法を無作為化比較試験(Randomized controlled trial:RCT)といいます。

EBMではひとつのテーマに沿って行われた世界中のRCTを第三者機関が収集分析し、その結果を発表するという手順を踏みます。

そうした情報が定期的に更新され、インターネットやCD-ROM、書籍などで公表されています。

そのデータをもとに各疾病のガイドラインを作成したり、現場の医師が治療方針を決めるのに役立てたりしているのです。

 

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EBMではRCTのほかに以下のような研究も行われています。

 

■ケースコントロール研究

疾患や病態が既に発生している患者さんのグループとそれらが発生していないグループにおいて、過去に遡って危険因子を比較するというもの。

たとえば肺ガンになったグループとそうでない人のグループにおいて、それまでの生活習慣(喫煙の有無や量・運動・食事など)における危険因子を比較する。

 

■コホート研究(前向き)

あらかじめ調べておいた「病気になる危険因子」の集団がその後どのようにして発症していくのかを観察するもの。

たとえば、ヘビースモーカーの集団がどのようにして肺ガンを発症していくのか、あるいは肥満の集団がどのようにして生活習慣病を発症していくのかを追跡調査する。

 

■コホート研究(後ろ向き)

既に病気を発症している集団が、それまでどのような状態(仕事・環境・栄養・運動)にあったのかを調査する。

たとえば、脳卒中を起こした人々が過去にどんな生活を送っていたのかなど。

 

■横断的研究

たとえば腰痛と画像診断の関係を調べる際、腰痛の患者100人、健常者100人を集め、それぞれのレントゲン・CT・MRIの写真を比較し、その結果を分析する。

 

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基本的にコホート研究は大規模な疫学調査(数万人~数十万人規模)で使われ、横断的研究は時間軸における定点観測あるいは短い期間でのデータ収集を基本とし、主に診断法に関して用いられます。

1990年代に発表された「腰痛の85%が原因不明である」という衝撃的なデータは、画像診断に関する横断的研究の成果として有名です。

 

ご参考までに、EBMによる医療の変革を知る上で一番身近な例を紹介しておきます。「風邪と抗生物質の関係」です。

抗生物質は細菌を殺す薬ですので、ウィルスには無効です。風邪の8~9割はウィルスが原因ですので、抗生物質は一般的な風邪には効きません。

 

それではなぜ風邪に処方されることが多いのか。日本では肺炎などの二次感染を防ぐ目的で使われています。

ところが、EBMによって「二次感染の予防効果はない」ことが判明したため、欧米では抗生物質が風邪に処方されることは通常ありません。

日本においても日本呼吸器学会がEBMに基づくガイドラインを発表し、安易に抗生物質に頼ることを戒めていますが、いまだに「風邪は抗生物質で治す」と思い込んでいる人が多いようです。

 

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インフルエンザに関しても、パンデミックが予想されるような強力なものでなければ、ヨーロッパでは「自宅安静」が一般常識であり、医師から処方される抗ウィルス薬(たとえばタミフルなど)に頼ろうとする習慣はありません。

ウィルスに負けない抵抗力、免疫力を回復させることが一番の近道であるということを知っているからでしょう。

 

「抗生物質依存社会」を変える一番の方法は、私たち一人ひとりが「本物の健康とは何か」を考え、学び、安易に病院や薬に頼るのではなく自分の健康を自分で守っていくことではないでしょうか。

これからも、医学の常識はどんどん変わっていくと思います。いや、間違った常識は正していかなければなりません。

そのためにも、「EBM(根拠に基づいた医療)」が大きなカギを握ることでしょう。

 

お後がよろしいようで...お退屈様でした<m(__)m>

 

 

 

※このコラムはBFI研究会代表・三上先生の書かれたブログ記事を編集したものになります。

 

 

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2016/12/20

EBM(根拠に基づく医療)とは・前編 ~数字のマジックに騙されないために~

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます<m(__)m>

 

今から数年前のことですが、「腰痛・肩こりはガン赤信号!」と銘打ったテレビ番組がありました。

このような情報は一般の人々に誤ったイメージを抱かせる危険があります。

 

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この番組ではガンを患った人々のアンケート結果をもとにして、腰痛・肩こりはガンの赤信号だと結論づけていました。

しかし、この論旨には重大な誤りがあります。

腰痛・肩こりをもっている人がガンを患った場合、たしかに痛みが強くなる傾向は認められますが、一般的な腰痛・肩こりの99%はガンではありません。

 

「腰痛・肩こりがガンの赤信号」だとする結論は“数字のマジック”です。

確率の計算方法に誤りがあるのです。

 

分母をガン患者に設定して腰痛・肩こりの頻度を求めてしまうと、無視できない数字として現れてきます。

もともと体調に何らかの異変が現れてしかるべきハイリスク集団を対象にしているのですから、ある意味当然の結果といえます。

 

しかし、そうではなく、この番組の趣旨からすれば『腰痛・肩こりのなかにガンが潜んでいる』確率を求めるのが筋というものです。

この場合であれば、分母を腰痛・肩こりの患者さんに設定してガンになる確率を計算しなければなりません。

すると、その数字は1%以下ということになります(既にガンの治療を受けている人、及びガン治療中の骨転移などによる痛みは含みません)。

 

たとえばアメリカの公立病院で行った調査では、腰痛で来院した1,975名中、13名がガンによる痛みだったと報告されています。

これは腰痛だけのデータですが、0.66%という数字になります。

 

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BFI研究会代表・三上先生の臨床における調査では、過去3年間で来院された腰痛・肩こりの患者さんのうち、ガンが判明した確率は0.8%だったとのことです(2011年当時の結果)。

つまり腰痛・肩こりの患者さんが1,000人いたとすれば、その内ガンが判明する人は8人

この数字から、「腰痛・肩こりはガンの赤信号」などと言えるでしょうか。

 

※注:医療センターや大学病院で同様の統計を出せば、その数字は1%を超えるかもしれませんが、これは一般論として採用しにくい数字です(重症例が集まる場所では統計的に偏りが出てしまうため)

また、腰痛・肩こりがあったとしても医療機関を受診しない人もいるので、そういった人たちを分母に設定した場合も数字は変わってくるかもしれません。

 

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少し話は逸れますが、「手術の成功率は80%です」と言われたとき、あなたなら何を考えますか?

「高い成功率だ」と安心する人、「失敗する確率が20%もあるのか」と心配する人など反応は様々だと思います。

 

しかし、実はこうした「…%」という表現には気をつけなければならないことがあります。

確率を計算するときの分母が分からないケースがあるからです。

 

この場合でいえば、誰が行った手術の成績なのかはっきりしません。

分母が「執刀医個人」による数字なのか、それとも「病院全体」なのか分かりません。

場合によっては「学会」が発表した数字ということもあり得ます。

分母に設定したものが何であるかによって、「80%」の意味が違ってきてしまうのです。

 

ちなみに私が患者の立場なら、執刀医自身の数字、それも何%という確率の表示ではなく、何人の患者を手術して、そのうち何人が成功したという自然頻度の数字を知りたいですね。

 

こうした確率や統計の考え方は難しいですよね。

私は特に数学…いや、算数が大の苦手なので、数字を見ただけで拒否反応が起きてしまいます(笑)。

 

興味のある方は「数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活―病院や裁判で統計にだまされないために(早川書房)」という本がオススメです。

 

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ところで、日本語においては主語の下に来る「は」と「が」の使い分けがよく問題になります。

昔、三上章という日本語学者が自著「象は鼻が長い」において、「わたしは…」の「は」は「わたしに関して言えば…」という意味だと解説しておられました。

つまり「わたし」という主語に関する説明がそのあとの文章に続くのが、日本語における「は」の正しい使い方だというのです。

「象は鼻が長い」というのが正解であって、「象が鼻が長い」とは言わないわけです。

 

例のテレビ番組が大きなテロップに出した「腰痛・肩こりはガンの赤信号」という日本語を考えた時、「腰痛・肩こりに関して言えば、ガンの赤信号」という意味になります。

つまり、その根拠となる統計を出すためには先ほどもお伝えした通り分母は当然「腰痛・肩こりの患者さん」でなければならないわけです。

腰痛・肩こりとガンの関係を扱うのであれば、視聴者に余計な不安を与えないように、より慎重な表現を心がけるべきではないでしょうか(もっとも、それがテレビの狙いなんでしょうけどね)

 

実はこうした確率や統計の考え方は、現代医学において非常に重要、かつ不可欠な視点となっています。

 

もし、今まで「医学の常識」とされていたものが一部の人間たちの先入観や思い込み、利権のために正当化、常識化されているだけだったとしたら…?

それを科学的な手法でその真偽を見定める必要があるからです。

 

では、続きはまた次回。お後がよろしいようで...お退屈様でした<m(__)m>

 

 

 

※このコラムはBFI研究会代表・三上先生の書かれたブログ記事を編集したものになります。

 

 

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2016/12/06

セロトニン仮説のウソ

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます<m(__)m>

 

突然ですが、 うつ病は「脳内にあるセロトニンという脳内伝達物質が不足することが原因」と理解している方が多いのではないでしょうか?

しかし、実はそうではないようです。

 

今回の記事は、セロトニン説に対して反対の立場に立つ、最上先生の本よりセロトニン説に関する部分の抜粋です。

途中に出てきますが、SSRIという薬の改善率は6~7割という研究結果が出ているそうです。

 

パッとこの数字だけを聞けば効果がありそうに聞こえるかもしれませんが、基本的にプラセボだけでも6割は効果が出ると言われています。

要するに、効果がないと言っているのに等しいということになります。

そんな薬、よく飲ませようとしますよね。

 

だから「精神薬は人類史上最悪の薬害だ」と言われるのです。

 

 

 

「慢性炎症」を治せばうつは治る」

 

◼︎まことしやかに広まった『セロトニン仮説』

 

現在、うつ治療の現場でもっとも標準的に処方されている薬は、“SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)”という抗うつ薬です。

うつと診断されたら、まずはほとんどの場合、この薬を出されます。

そして、SSRIは脳内化学物質のひとつである、セロトニンを増やすことを主とするとされています。

 

というお話をすると、「セロトニン、聞いたことありますよ。脳の中のセロトニンが減って、みんなうつになるんですよね?」などとおっしゃる人もよくいます。

しかし、残念ながらそれはまちがいです。

 

うつという病気がますます身近になり、メディアなどを通じて情報も大量に飛びかうようになった中、まことしやかに広まったのが「うつの原因はセロトニンの欠乏」だとする説です。

 

これは、「セロトニンとは脳内にある化学物質で、落ち込んだ気分を安定させたり、不安感や恐怖感にブレーキをかけたりする働きをしている。

だから、セロトニンが脳の中で足りなくなると感情が不安定になったり、ちょっとネガティブなことがあっただけでものすごく不安になったり、死にたいほど苦しくなったりしてしまう」というものです。

なるほど、誰もが分かったような気になれる説明ですよね。

 

しかし、うつとはそんな単純なものではありません。

 

たしかに、セロトニンは脳の中で大切な働きをしていると考えられていますし、うつの発症にまったく無関係とはいえませんが、これだけが原因だとするのはあまりにも乱暴な考え方です。

仮にそんな論文を書いたとしても、世界中で門前払いを食らうのが関の山でしょう。

 

実は、この通称『セロトニン仮説』、もともとは欧米から入ってきたもので医学的な仮説のひとつではあったのですが、製薬会社がセロトニンを増やす薬であるSSRIの販売促進のために、その重要性を強調して発信していた情報が広まったものだといわれています。

 

慣習的に、医師の多くは製薬会社の情報を頼りにしがちです。

そのため、ごく最近までこの説ばかりが広まり、研究者など一握りの専門家を除く多くの医師がこれを信じてきました。

そして、それが一般の人々にも知られるようになったのです。

 

しかし、薬だけではうつはなかなか治らない……

 

セロトニンの不足だけでうつ発症の原因を説明できない理由のひとつとして、SSRIだけではうつはなかなか完治しないことが挙げられます

SSRIを飲むと、ほとんど誰の脳の中でもセロトニン量はすぐに増加することが分かっています。

しかし、セロトニン量が増えた人全員のうつ症状が消えるわけではないことも分かっているのです。

 

多くの臨床試験において、SSRIはこれを飲んだうつ患者の6~7割に効果があると報告されています。

と、聞くと、けっこう優秀な成績じゃないかと思われるかもしれません。

しかし、これは研究するのに理想的な条件の患者さんだけで行った試験で、6~7割という数字は”反応率”。

「症状が半減すれば、合格」というものなのです。

 

実際のところ、半減程度といった半端な改善状況では症状は高い確率でぶりかえしますし、多くは仕事にも日常生活にも支障があるままなのです。

 

また、アメリカではSTARDという世界中から注目された大規模研究も行われました。

3,000人を対象としたもので、薬の効きやすい患者さんだけでなく、診療の現場によくいるような人なども対象としていることから、より現実的な研究だと評価されています。

こちらでは、通院して最初に処方されたSSRIを飲んで、問題ないといえるまで症状が改善したのは3割という厳しい結果が報告されています。

 

抗うつ薬には、SSRIの他にも様々な種類が存在します。

たとえば、セロトニンだけでなくノルアドレナリン、ドーパミンなど他の脳内化学物質にも働きかけるタイプの薬の中には、「疲労が目立つうつ」、「入院が必要なぐらいの重症うつ」、あるいは「新型うつ」や「原因不明の体の痛み」などには、SSRIよりも効果が期待できるともいわれています。

 

先ほどのSTARDの研究でも、SSRIの効果が得られなかったときは複数のメカニズムに働きかける薬に切り替えたほうが改善効果が高まることが証明されているのです。

 

とはいえ、セロトニン以外に話を広げて考えたとしても、結局は脳内化学物質に大きく焦点をあて、そして化学的につくられた薬だけに重点がおかれていることには変わりありません。

 

もちろん、薬によって症状が改善していくケースはけっして少なくありません。

しかし、たとえSSRIでうつが治ったとしても、その理由は脳のセロトニンが増えたことだけではなく、「未知のものも含め、うつの複雑なメカニズムに働きかけた結果であろう」というのが、昨今の医学的見解なのです。

 

そして、研究の結果からも明らかであるように、多くの場合、いま、私たちが使える薬だけでうつを完全に治すことはなかなかできません。

 

 

お退屈様でした<m(__)m>

 

 

 

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2016/11/22

乳がんマンモグラフィーは受診しないほうがいい?

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます<m(__)m>

 

今日もがんの話題になります。デリケートな内容ですが、個人的には納得の記事です。

ぜひお読みいただき、考えてみてください。

 

 

乳がんマンモグラフィー、本当は受診しないほうがいい? : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

 

今日は『 乳がんマンモグラフィー、米「50歳から」方針を継続 』という記事に関しての僕なりのコメントです。

 

乳がんの健診は、まず触って検査する触診、そして乳腺専用のX線検査であるマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)、超音波検査などがあります。

そのマンモグラフィーによる乳がん検診について、アメリカの福祉保健省は50歳~74歳の女性が2年に1度受診することを推奨したという内容です。

 

 

お金と時間があったとしても…

 

これだけの記事を読むと、時間とお金があれば50歳未満でも、また1年に1度受けてもいいのではと思いますよね。

この報告で大切な内容は、40歳代ではマンモグラフィーで乳がんを見つけられる恩恵よりも、過剰な検査による負担の方が大きいとの研究成果に基づいたという点です。

 

この「過剰な検査による負担」が金銭的負担と時間的負担であれば、特段の問題はありません。

時間に余裕があり、そしてお金に不自由していない人はどんどん乳がん検診を受ければいいと思います。

「時間とお金がない人は、まずまず50歳以上で2年に1回受ければいいですよ」という最低限を示すという意味に受け取れます。

 

ところが、僕はそうではないと思っています。

 

マンモグラフィーで乳がんが疑われると、追加のいろいろな検査が施されますが、結局は早期の確定診断は難しいことが少なくありません。

何度もがんが疑われる部位に針を刺して検査をしたり、また、それでも悪性腫瘍という確定診断が得られないときは、腫瘍とおぼしき部位を小さく切り取って、その摘出標本を顕微鏡で調べることも行われます。

 

そして、結局はがんではなかったり、または明らかにがんともがんではないとも言えないという、なんとも腑に落ちない結果に終わり、「経過を見ていきましょう」ということになります。

 

そんな状況では、検査をされた人は「がんかもしれない」という精神的不安でストレスが溜たまるのです。

心配で、心配で、夜も眠れないという人もいます。

そうであれば、「いっそ疑いでもいいですから、きれいさっぱり、がんとして手術をしてください」と直訴する人もいます。

 

つまり、お金と時間があっても検査をしないほうがいいこともあるということです。

この点がなにより大切なのです。

繰り返しますが、検査をしないほうが結果的には最良の選択肢であったことが少なからずあります。

それらを踏まえて、またその後の統計的研究成果を含めて、アメリカの福祉保健省がこのような推奨を出したということです。

 

 

過剰な検査が、がんに対する不安を引き起こす

 

40代の僕の知り合いの女性もマンモグラフィーで乳がんの疑いと言われて、ある病院でいろいろな検査が施され、そして強く乳がんが疑われるので手術をしましょうということになりました。

 

そして僕の所に相談があり、「ともかくもう一か所、ほかの病院の専門家の意見を聞いてはどうですか」とセカンドオピニオンを勧めました。

その病院はたぶん日本で一番、乳がんの手術数が多い病院ですが、そこでは最初の病院で行われたマンモグラフィーや細胞検査のスライドなどを再度診断しました。

そして、超音波検査やマンモグラフィーも再度行われました。

すると、「乳がんの可能性は相当低いので、まったく手術は不要です」という結論になりました。

 

ある意味良かったのですが、本当に日本で一番、手術数のある病院の意見が正しかったのか、それとも最初の手術を勧めた病院が実は正しかったのかは、将来経過を見てはじめてその正誤が判明するのです。

そのあいだ、やはり彼女は一抹の不安を持って暮らすのです。

 

つまり、そんなビクビクする状態が、ある意味過剰な検査をやることで生じたということです。

そしてその過剰な検査は、乳がん検診を目的としたマンモグラフィーが始まりでした。

 

また一方で、マンモグラフィーのお陰で早期の乳がんが見つかり、そして手術を受けて元気な人もたくさんいます。

悩ましいですね。僕の結論はどちらでもないのです。

 

健診というのはある意味「運と縁」で、やろうと思ったときには行えばいいと思っています。

間違いないことは、何か異常があれば、それは病院で検査を行うということです。

そして健診に関しては、お金と時間があっても、ちょっと不安な結果になることもある、不利益な結果になることもあると認識しましょう。

その不利益と利益に鑑みたときに、アメリカ福祉保健省としては、50歳以上で2年に1回のマンモグラフィーが推奨される、つまり50歳未満には積極的にはマンモグラフィーを勧めないという結論が出たということです。

 

日本の事情はまたアメリカとは異なります。

心配なときはかかりつけ医に相談して、いろいろと質問をして、そして十分納得して下さい。

人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

お退屈様でした<m(__)m>

 

 

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